宮城県貞山高等学校 校長 佐藤 彰彦
令和4年度が始まりました。コロナ感染拡大防止の対応で活動が制限されてはいますが,生徒達は毎日元気に登校しているところです。さて,本校は昭和53年に定時制高校として独立開校していますので,今年で創立45年目を迎えることとなります。昭和53年といえば,宮城県沖地震があり,成田国際空港が開港した年でもあります。また,本校が単位制を導入し,昼間部を設けたのは平成2年です。日本ではバブル経済が崩壊し始め,世界に目を向けると東西ドイツが統一された年でした。本校はその後も,多くの有為な人材を社会に輩出してきましたが,その間に社会はさらに大きく変化してきました。宮城県の学校基本調査によると,平成2年度には94,074人だった高等学校在籍者数は,令和3年度には55,329人まで減少しています。さらに,近い将来には「Society5.0」と呼ばれる社会になると言われています。情報を個別に収集・管理する「情報社会」は終わり,AIがビッグデータを解析して私たちの生活にフィードバックしてくるような社会がやってきます。そのような社会では我々個々の主体性がとても大事になります。本校の教育目標には「自主・自立の精神を尊び,自由と責任を重んじ,創造性豊かな人間の育成を図り,社会の向上・発展に寄与できる人間を育てる。」とあります。そこに掲げているような資質が,まさに求められているのです。
社会の急激な変化に対応するために,本校では様々な教育活動を行っているところです。多様な選択科目を少人数で開講し,教材の工夫やICT機器の活用による分かる授業の実施。昼・夜間併修や定通併修の制度を用意し,生徒のニーズに対応。充実した教育相談体制による個を大切にした指導。手厚い進路指導による卒業後の望ましい勤労観の育成と,大学進学から民間就職までの希望に応じた進路決定の支援。部活動の場の確保と,各種大会における活躍の支援。年間を通して計画的に実施される探究活動。社会人の科目履修生と一緒に受ける授業。どれをとっても,教育目標を実現するための充実した教育活動であろうと自負しています。
昭和62年に宮城県の「教育改革研究委員会」で具体化した「単位制高等学校基本構想」には次のような文言があります。「あらゆる面で多様化・高度化する現代社会の中では,内容もレベルも様々な学習ニーズが存在しており,それらを受け容れる新たな学習機会の創設が期待されている。」時代は変わっても,単位制高校としての変わらない役割を踏まえ,新しい時代にも対応していけるよう,全職員が一丸となって貞山高校ならではの教育活動を充実させていきたいと思います。今後とも本校の教育活動に御支援と御協力を賜りますことをお願い申し上げます。
令和4年4月
宮城県貞山高等学校
〒985-0841
宮城県多賀城市鶴ヶ谷1-10-2
TEL : 022-362-5331
FAX : 022-367-1451
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